「枯山水」をご存知ですか?
水を使わずに砂や石だけで自然の景色を表した庭園のことで、禅宗の寺院でよく見かける様式です。
その中でも有名な寺院の一つ、龍安寺をご紹介致します。
創建は室町時代、細川勝元が開創し、焼失と再興を繰り返し、現在の形となりました。
そんな龍安寺の代名詞とも言えるのが石庭の「方丈庭園」。
エリザベス女王も絶賛したこの石庭は世界遺産にも認定されています。
しかしこの「方丈庭園」の魅力はそれだけではありません。
この石庭は誰が作庭したのかも、なにを表しているのかも全てが不明なんです。
排水を考慮されて傾斜に作られていますが、水平に見えるように塀の高低を駆使するなど、高度な遠近法が使われていることから、西欧手法に秀でた庭師が造ったのでは?と言われていますが、何一つ根拠がなく憶測の域を出ません。
また、5・2・3・2・3と分けられた15個の石の配置は黄金比とも言われています。
なんとこの石はどの角度から見ても必ず14個しか見えないように造られているんです!
東洋では、15という数字は「完璧」を意味しており、どの場所から見てもすべての石が見えないことで「不完全」を表現しているといわれていますが、真意は定かではありません。

「足りないものを見つめ、今の自分が存在する事を、心から感謝することを忘れてはならない」
東西30m、南北10m余りの長方形の白砂の庭に込められた思いが人々を引き付けてやまないのかもしれません。

リヴェルト京都鴨川からの行き方
市バス59『河原町今出川』より『龍安寺前』下車 40分